詳説日本野球研究BACK NUMBER
スカウトの隠し玉も登場する、
全日本クラブ野球選手権の魅力。
text by
小関順二Junji Koseki
photograph byALL ASHIKAGA CLUB
posted2010/09/27 10:30
14年連続出場を果たした強豪・全足利クラブは、初戦で新日鉄大分ク相手に2度のリードを守り切れず、3-2で逆転負け。6年ぶりの優勝はならなかった
本間のキレのある変化球はプロの世界でも通用するか?
本間に話を戻すと、この試合で記録したストレートのMAXは135km。
この数字は大したことはないが、西武ドームのスピードガン表示は他球場にくらべて低く抑えられ、140km超と書いても違和感がない。また、本間の武器はストレートではなく、スライダー、カットボール、フォークボールのキレ味のよさで、これらを交えた高低の攻め、あるいはコーナーワークにこそ持ち味がある。
この本間を攻略した新日鉄大分クでは三塁打を放ったときの三塁到達が11.35秒だった井餘田基紀(右翼手)、強肩捕手の大村和也、そして全足利から16三振を奪って完投した左腕・阿南洋平がよかった。スタンドは応援団以外はガラガラ。もっと多くの人が見に来てもいいと思った。