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メジャーを席巻する超弩級の新人、
ヤシエル・プイグは「史上最強」か!? 

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菊地慶剛

菊地慶剛Yoshitaka Kikuchi

PROFILE

photograph byGetty Images

posted2013/06/22 08:02

メジャーを席巻する超弩級の新人、ヤシエル・プイグは「史上最強」か!?<Number Web> photograph by Getty Images

身長191cm、体重111kgという長身に加え、全身がバネのようにしなるそのプレーはこれまでのメジャー選手とは違ったすごさがある。22歳という若さにそのパワーは底知れない。

 長年メジャーリーグの取材をしてきたが、これだけセンセーショナルなデビューを飾った選手が他にいたかどうか思い当たらない。とんでもない選手が出てきたものだとすっかり感心させられている。

 その選手とはドジャースのヤシエル・プイグ選手だ。

 6月3日のパドレス戦で「1番・右翼」でメジャーデビューを飾ると、いきなり能力の高さを遺憾なく発揮し、ドジャース・ファンの心を鷲掴みしてしまった。

 初回に自身初打席でメジャー初安打を放ち、この日は2安打を記録。さらに9回には、1死一塁から右翼フェンス近くまで飛んだ大飛球を掴むとそのままノーバウンドで一塁に送球。ダブルプレーを決め試合を締めくくり、ファンどころか味方選手をも驚かせた。

 続く4日の試合では、5回に自身初となる同点3点本塁打を左翼席に叩き込むと、続く6回にはライナーで右翼席に運ぶ2点本塁打を放ち、3安打2本塁打5打点という暴れようだった。

昇格して即、週間MVPを獲得した「夢の史上最強選手」。

 翌日のLAタイムズ紙はあまりのど派手な活躍に、『Remember crazy dream where Yasiel Puig was greatest player ever?(ヤシエル・プイグが史上最強の選手という嘘みたいな夢を覚えてますか?)』という見出しで、以下のようにプイグを賞賛している。

「目を覚ました方がいい(見出しの夢にかかっている)。そんなことが起こるはずはない。現実に戻るべきだ。彼が本当に史上最強かどうかはわからない。だがもしそうだとしたら、どうしてドジャースはプイグをメジャーで通用すると判断できるまでマイナーで63試合も出場させる必要があったのか。

 もちろんたったの2試合でしかない。シーズン162試合で考えれば針の先程度のものだろう。2試合連続で素晴らしい活躍をした選手などごまんと存在する。だがメジャー・デビューの2試合でこんな活躍をした“ドジャー(ドジャースの一員という意)”は他にはいなかったのではないか」

 だが記者の賞賛は決して大袈裟なものではなかった。結局、デビューから最初の1週間で、打率.464、4本塁打、10打点を記録し、プイグは週間MVPを受賞した。

【次ページ】 LAッ子を虜にした力強く燃えたぎるプレースタイル。

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