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早くも独走態勢の構えを取る西武。
金子侑司は中島の跡を継げるのか?
text by
小関順二Junji Koseki
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2013/05/01 10:30
西武の背番号2を背負う新人・金子侑司はパンチ力のある打撃と俊足を武器に、好調・西武の牽引役となっている。
西武が開幕から好調だ。4月29日現在、27試合を消化して18勝9敗と、2位ロッテに4.5ゲーム差をつけて首位を突っ走っている。長く攻撃陣の主軸を担ってきた中島裕之がアスレチックスに移籍、中村剛也が左ヒザの手術で出遅れという最悪の状況の中でチーム打率はリーグ1位の.278。こういう展開を予想した人は多くないと思う。ちなみに、各分野でのチーム成績は次の通りだ。
◇打率.278(1位) ◇得点133(1位) ◇盗塁25(1位) ◇本塁打14(5位)
◇防御率2.42(1位) ◇失点74(最少1位)
セ・リーグ首位の巨人のような一発攻勢ではなく、連打と機動力を絡ませて得点を挙げ、それを投手陣が守り抜く、というゲーム展開を身上としていることがこれらの数字からは読み取れる。
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さて、中心選手が流出したチームはその年どうなったのだろう。パ・リーグ上位球団の過去10年の“ビフォーアフター”を見てみよう。
パの上位球団は主力が抜けてもAクラスを堅持。
◇西武
'04年(2位から)日本一 松井稼頭央→メッツ ※勝率2位から日本一
'06年(3位から)2位 豊田清→巨人、森慎二→デビルレイズ
'07年(2位から)5位 松坂大輔→レッドソックス
'08年(5位から)日本一 和田一浩→中日
'11年(2位から)3位 細川亨→ソフトバンク
'12年(3位から)2位 帆足和幸→ソフトバンク
◇日本ハム
'07年(日本一から)1位 小笠原道大→巨人、岡島秀樹→レッドソックス、
SHINJO(新庄剛志)→引退
'08年(1位から)3位 金村曉→阪神
'10年(1位から)4位 藤井秀悟→巨人、スレッジ→横浜
'11年(4位から)2位 建山義紀→レンジャーズ、森本稀哲→横浜
'12年(2位から)1位 ダルビッシュ有→レンジャーズ
◇ソフトバンク
'05年(2位から)2位 井口資仁→ホワイトソックス ※'04年は勝率1位
'06年(2位から)3位 城島健司→マリナーズ ※'05年は勝率1位
'12年(日本一から)3位 杉内俊哉→巨人、和田毅→オリオールズ、
ホールトン→巨人、川崎宗則→マリナーズ
パ・リーグの上位球団は、中心選手がいなくなってもAクラスを堅持することが多いのがわかる。それに対して下位に低迷することが多い楽天、ロッテ、オリックスはそうはいかない。