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昨季の角中と同じ道を歩めるか?
ロッテ・鈴木大地、ブレークの兆し。
text by
田口元義Genki Taguchi
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2013/04/30 12:40
兄姉ふたりの名前も「辰徳(原辰徳監督から)」「有香(フィギュアスケートの佐藤有香から)」という、スポーツ好きな一家で生まれた鈴木。目標は「もっと活躍して本人(水泳の鈴木大地)と会うこと」とのこと。
ロッテの伊東勤監督は、「チームで状態が一番いい、旬な選手」と言う。
4月27日には、その名を冠した商品がQVCマリンフィールドで緊急発売された。3種類の味噌、3枚のチャーシューと海苔を添えた「大地の恵み味噌ラーメン」33杯は開門わずか10分で完売。梅酒、オレンジ、レモンをブレンドした「大地カクテル」110杯も早々に売り切れるほど、ファンの人気も勢いを増すばかり。
ロッテ2年目の鈴木大地。
1988年のソウル五輪100メートル背泳ぎの金メダリストが名前の由来とされる若手の注目株は、29日現在で規定打席未到達ながら67打数25安打、3割7分3厘の高打率をマークしている。今季、チームで最もブレークが期待されている選手といえるだろう。
「これだけ好調だとちょっと怖いですね」
鈴木大地は自身の快進撃に、多少なりとも戸惑いを窺わせるようなコメントを残している。それでも、今の活躍が決してフロックではないことは、プロ入り後の彼の姿勢を知ればはっきりと理解できる。
同期でゴールデンルーキーの藤岡も認めていた、その高い資質。
東洋大では、4年間で5度の東都大学リーグ制覇に2度の全日本大学選手権優勝を経験。大学、全日本でも主将を任されるほどのリーダーシップもさることながら、巧みなバットコントロールと正確な守備に定評があった。
2011年のドラフトでは3位指名。その素質は、東洋大の同期で当時ゴールデンルーキーとして注目を浴びていた1位入団の藤岡貴裕も認めていた。
「鈴木は力がありますからね。早いうちから一軍でやってくれる選手であることは間違いないですよ」
藤岡の言葉通り、6月に一軍昇格を果たした鈴木大地は昨季62試合に出場。135打数37安打、打率2割7分4厘と、キャリアのスタートとしてはまずまずの数字と言えるだろう。
そして今季は、より打撃の確実性を高めるべく、オープン戦期間中からフォームの修正に取り組んだ。