野球クロスロードBACK NUMBER
昨季の角中と同じ道を歩めるか?
ロッテ・鈴木大地、ブレークの兆し。
text by
田口元義Genki Taguchi
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2013/04/30 12:40
兄姉ふたりの名前も「辰徳(原辰徳監督から)」「有香(フィギュアスケートの佐藤有香から)」という、スポーツ好きな一家で生まれた鈴木。目標は「もっと活躍して本人(水泳の鈴木大地)と会うこと」とのこと。
開幕から全26試合に出場し失策ゼロで定位置奪取!
ショートのスタメンとなって間もない28日のソフトバンク戦では、2回に柳田悠岐のライナーに逆を突かれながらも素早く反応するダイビングキャッチをはじめ、打球を捌くこと実に9回。刺殺も含めれば10回の守備機会を無難にこなした。
「全部の打球をしっかり処理できたのはよかったと思っています。久しぶりに守るポジションだと単純にグラウンド上で見える景色が違う分、初めはちょっとあたふたしますけどすぐに慣れますし、全く問題ないです」
鈴木大地は自信に満ちた表情でそう話す。開幕から全26試合に出場し失策はゼロ。ショートの根元俊一がセカンドへ、セカンドの井口資仁がファーストへコンバートされたように、彼は守備でもチームの信頼を勝ち取ったのだ。
向上心を持ち続ける打撃に周到な準備に裏付けされた堅守。鈴木大地はロッテに欠かせない選手となった。
開幕からまだ1カ月で今季のブレークを確信するのは時期尚早かもしれない。それでも、誰もが「旬な選手」と認めるシンデレラボーイの存在に期待しないわけにはいかないのだ。
彼は着実にサクセスストーリーを歩んでいる。
昨年6月に緊急発売された「角中カクテル」でさらにモチベーションを高めた角中勝也は、そのまま勢いに乗り首位打者となった。
今の鈴木大地の姿からは、去年の角中の姿がオーバーラップする。
順調に試合を重ねれば、交流戦前には規定打席に到達する。その時には、打率ランキングの上位にラインナップされているはずだ。
だからこそ、鈴木大地もまた、同じ道を歩む。そんな未来予想図を描いてもいいではないか。