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“プレーの甘さ”を払拭できるのか?
吉田麻也、「万能なCB」への葛藤。  

text by

西川結城

西川結城Yuki Nishikawa

PROFILE

photograph byTakuya Sugiyama

posted2013/04/13 08:01

“プレーの甘さ”を払拭できるのか?吉田麻也、「万能なCB」への葛藤。 <Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

ヨルダン戦、痛恨の2失点目につながる突破を許した吉田。それはプレミアとアジアのジャッジの違いを意識したが故の“ためらい”が招いたミスだった。

時折見せる“抜けたプレー”を払拭できるか?

 現在、プレミア1年目ながら28試合連続先発出場。CBとしての安定感と信頼感がなければ、これほどコンスタントにトップレベルの試合に出続けることはできないだろう。それは、彼が世界の舞台で戦う上で取り組んでいるプレーの工夫や試行錯誤が、周囲にも認められていることの証左でもある。

 それでもまだ時折“抜けたプレー”をしてしまうのである。それは、Jリーグでプレーしていた頃からの吉田の悪い癖であり、長らくの課題でもあった。その頻度は年々減少してはいるが、完全に拭い去ることはできていない。

「腹立たしい」、「ムカつく」、そして「情けない」経験をしたことで、今の自分に足りないもの、必要なものはより明確になった。吉田の理想は、対戦相手や見ている人間に対して、自分が「万能に見えるCB」になることだと言う。万能ではないCBが、他人に万能に見せるためには、隙や緩慢さなどはあってはいけない。

 一瞬でも垣間見えてしまう、プレーの甘さ。それさえ取り除けば、吉田はまた一歩高みに近づく。ただ、なかなか染みついたものを剥がし取ることも難しい。やはりここが、吉田が上に行けるか否かの、境界線なのである。

次回の「サバイブ」は、Number829号(5月23日発売)に掲載予定です。
ウェブ版オリジナル連載「Survive PLUS ~頂点への道~」の第3回も合わせて、楽しみにお待ちください。
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