「負けたけど、モチベーションが下がることはないよ」

　そして何より、本来ならば躍動出来るはずのホームゲームで、最後まで実力を出し切れなかった記憶は残る。

　2シーズン前のCLでは、クラブ史上初めてベスト4まで進出したという素晴らしい成果があった。さらに、マンチェスター・ユナイテッドと対峙したことで、上には上がいるという現実を知ることもでき、選手たちにとっていくらかでも満足の出来る大会になっていた。

　でも、今シーズンは、全力を尽くした感じはない。選手たちの中に心残りがないといえばウソになる。この経験はいわば、恥だ。でも、その恥と向き合うことは、前進への糧となるのだ。

「ここで負けたけど、またこの大会に出るために残りのリーグ戦で頑張らないといけないから。モチベーションが下がることはないよ」

　試合直後に内田はそう語った。CLの借りは、CLでしか返せない。

　ベスト16という成績は悪くはない結果だが、内容に目を向ければどうか……。この現実を恥ととらえられるかどうか。そこに彼らの未来はかかっているのである。