欧州サムライ戦記BACK NUMBER
欧州CLベスト16は大健闘か、恥か!?
シャルケ内田篤人、不完全燃焼の心。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byAFLO
posted2013/03/21 10:32
2試合連続でアシストを決め、見事に怪我から復帰した内田だが……。「楽しい大会が終わってしまった」と落胆は大きかった。
彼らはいま、試されているのではないだろうか。恥と向き合えるかどうかを。
シャルケは、CL決勝トーナメント1回戦のファーストレグ、ガラタサライとのアウェイゲームを1-1で終え、ホームに帰って来た。
状況は決して悪くはなかった。奇しくも2シーズン前の決勝トーナメント1回戦と同じ流れだった。しかも、前半17分にノイシュタッターのゴールで先制を果たしたのだ。これ以上ない、立ち上がりだった。
しかし、1-0で迎えた前半の残りの10分を切った後にほころびが見える。37分と42分に立て続けに失点してしまう。特にこの2点目が痛かった。アウェイゴールで相手にリードを奪われたため、シャルケは勝ち上がりを決めるためにあと2点が必要だった。
後半18分に内田篤人のアシストをバストスが決めて1点を返すも、もう1点が奪えない。試合終盤に前がかりになったところ、後半のロスタイムになって失点して、スコアは2-3。シャルケの敗退は決まった。
ベスト4に進出した2年前とは対照的なホームでの弱さ。
当然のことながら、試合後の内田は前半の最後の10分間の戦いを悔いた。ただ、その10分間につながる流れは、それまでにも露呈してしまっていたと考えている。
「中盤のセカンドボールは向こうがだいぶ拾っていたし、うちらがDFラインとかボランチで回していても、(相手FWの)ドログバとかほかの中盤の選手がちょっかい出してきていたからね。俺らはあんまり回しているイメージはなかった。ホームだけど、主導権を握れなかったね」
シャルケは、ホームらしい戦いが出来なかった。
致命的だ。もっとも、それはこの試合に限ったことではない。今シーズンのチャンピオンズリーグを通しての課題だった。
今季のホームでの4試合の成績は1勝2分1敗。1勝したオリンピアコス戦でも、77分にようやく決まったフクスのゴールによる1点によって手にした1-0の勝利だった。
ベスト4に進出した2シーズン前は、準決勝のマンチェスター・ユナイテッド戦に負けたのみで、ホームで行なわれた6試合で5勝1敗の成績を残している。
あまりに対照的だ。今季のCLでのベストゲームはアウェイでのアーセナル戦。グループステージを首位で通過したとはいえ、このアーセナル戦をのぞいて低調なパフォーマンスに終始してしまった。