南ア・ワールドカップ通信BACK NUMBER
ウルグアイが籠城作戦に出ても、
オランダの“必勝”戦術は有効か?
text by
木崎伸也Shinya Kizaki
photograph byFIFA via Getty Images
posted2010/07/05 11:00
「内容が悪い時にも、勝ち点3を取れるチーム」
鍵になるのは、セットプレーだろう。
ブラジル戦において、オランダはいくつものセットプレーのパターンを披露した。
成功しなかったが、CKの場面でロッベンがスナイデルとキッカーを交代するフリをして、数センチだけボールを押し出して、ブラジルの裏をかこうとした。決勝ゴールが生まれたCKの場面では、ニアサイドに走りこんだカイトに、ロッベンが速いボールを合わせ、中央に流れたボールをスナイデルがヘディングで決めた。
キッカーがスナイデルのときもあれば、ロッベンのときもある。おそらくオランダは、今大会で最もセットプレーを訓練している国のひとつだ。
ファンマルバイク監督は、就任以来、「内容が悪い時にも、勝ち点3を取れるチームになりたい」と言い続けてきた。その手段のひとつが、セットプレーなのだろう。
はたしてオランダは、ブラジル戦の勝利に浮かれず、きっちりと格下の相手を叩けるのか。ファンマルバイク監督が2年かけて取り組んできた『現実的アタッキングフットボール』の真価が問われる。