痛快☆ブブゼラ通りBACK NUMBER
熱狂に燃えて散った開催国南アフリカ。
「豊かな国」のサッカーはどうなる?
text by
熊崎敬Takashi Kumazaki
photograph byGetty Images
posted2010/06/26 14:00
「代表チームは人々の文化を代表したプレーをするべきだ」
ブルースが続ける。
「できないことをやろうとしても、所詮は時間の無駄ってことだ。俺はね、バファナ・バファナはソウェト式サッカーをするべきだと思う。俺たちが路地裏でやっていたように、短いパスをつなぎにつないで、敵を幻惑するんだ。これが南アフリカの黒人がやってきたサッカーなんだ。代表チームは人々の文化を代表したプレーをするべきだ。バファナ・バファナがドイツのようなプレーをしても、だれも共感しないはずだ」
バファナ・バファナは、どこへ向かおうとしているのだろう。
ブルースは未来に向けて楽観的だった。
「たぶん、いまより良くなると思うよ。パレイラが去って、たぶん、アシスタントコーチをしていた南アフリカ人が昇格することになるはずだ。南アフリカ協会は外国人には大金を積むが、自国の監督は安いサラリーで済まそうとするところがある。たとえお金が理由であっても、俺たちの文化を知る監督が、バファナ・バファナを率いるというのはいいことだと思うんだ」
2014年、ブラジル。僕らは明るく楽しく開放的なバファナ・バファナに出会えるだろうか。