フェアウェイの舞台裏BACK NUMBER
“勝手に月間MVP”で振り返る、
2012年シーズン、ゴルフ名場面。
text by
雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph byNIKKAN SPORTS/AFLO
posted2012/12/21 10:30
12月3日に行なわれたジャパンゴルフツアー表彰式では、今年の部門別ランキングや特別賞受賞者の表彰が行なわれた。最優秀選手賞やゴルフ記者賞は藤田寛之。最優秀新人賞に藤本佳則、特別賞に最年少ツアー10勝を挙げた石川遼が選ばれた。
終わってみればあっという間。そして、次のシーズンが始まるのもあっという間だ。米ツアーは1月から始まるし、欧州ツアーはもうすでに始まってしまっている。過去を振り返ってる場合でない時もあるだろうが、ときには立ち止まって思い返してみることが価値を持つこともある。
米ツアーでは、年末に公式サイトで「今季のショット・トップ10」という企画を行っていた。さらに、シーズン中にはファンがオンラインで投票できる「プレーヤー・オブ・ザ・マンス(月間MVP)」の企画を、しっかりとスポンサーを付けて実施していた。さすがの試みだと思う。国内女子ツアーではシーズン後の表彰式で「ベストショット」「ベストコメント」という賞などが今年から新設された。日本ツアーでもこうしたものが広まっていくのは歓迎すべきことである。
今回は勝手に月間MVPを選んでいきながら、あんなことがあったな、こんなことがあったなと1年を思い起こしていきたいと思う。期間は日本ツアーの開幕する3月から、日本ツアーと海外で活躍する日本人選手を対象とした。
選手の皆様、特に表彰や賞金などはありませんので。あしからず。
【3月】斉藤愛璃──シンデレラガールの登場!
国内女子ツアーのシーズン初戦はシンデレラガールの登場で幕を開けた。ツアー3年目の斉藤がプレーオフを制してダイキンオーキッドレディスで初優勝。それまではちょっとかわいいプロとして知る人ぞ知る程度の選手だったのが、ここから一躍脚光を浴びる存在となった。
しかし、実力以上の注目を浴び、周囲からの期待が過熱すれば、平常心でいられるはずはない。「気持ちの面で早く結果を残さなきゃいけないと思った」とあまりに唐突な環境の変化に苦しんだ時期もあった。それでもフィーバーが落ち着いた頃には「取材が減ってきたのもさみしい」と言えるだけの図太い一面も。かわいらしいだけのアイドルゴルファーではないからこそ、まさかの初優勝もたぐり寄せられたのだ。