野次馬ライトスタンドBACK NUMBER
監督、選手の言葉で徹底検証。
セよりパが強い「本当の理由」。
text by
村瀬秀信Hidenobu Murase
photograph byNaoya Sanuki
posted2010/06/22 12:10
セ・リーグの打者は狭い球場用のスイングしかできない!?
そんな、パ・リーグの打撃力の高さは、どこから来るのだろうか? パ・リーグ出身の横浜・島田誠ヘッドコーチは「広い球場が打者を育てている」と分析する。
「広い球場で試合をしているので、どの選手もスイングが鋭く、セの狭い球場だと簡単に本塁打にできる力がある。逆にセの場合、狭い球場にスイングを合わせて振っているように見える。この差は大きい。パが強い理由が、セのコーチになってわかった」
シーズン中、広い球場を舞台に日本代表クラスの投手を相手にしているパ・リーグの打者。なるほど、球威と広さに負けない鋭いスイングが培われるというのももっともな意見である。
この打撃力にして、あの投手力。重ね重ね思う、パ・リーグはレベルが高い。
そんな印象を残して、今年の交流戦は幕を閉じた。
「パ・リーグの長所をチームに取り入れ、日本一に!」
レギュラーシーズンが再開した今週、セ・リーグ各チームは「パ・リーグショック」をどのように生かした戦いを見せてくれるだろうか。
原監督は前を向き、交流戦の総括をこのように結んでいる。
「今年は悔しい思いをしましたが、セ・リーグのチームも研究をするでしょう。結果が出ているだけに、私自身も反省し、この教訓をチームに取り入れ、改善していこうと思っています。来年とは言いません。パ・リーグのチームとは、日本シリーズでも対戦します。いち早くパ・リーグの長所をチームに取り入れ、セ・リーグの戦いを優位に進め、日本一を目指したいと思います」
巨人・大砲・卵ドーム。
永くセ・リーグの中心にあった、そんな野球からの脱却はできるのか?
戦いの結末は、日本シリーズへと続く。