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強欲オーナーと解体セール。
~マーリンズの「悪癖」を憂う~ 

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芝山幹郎

芝山幹郎Mikio Shibayama

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photograph byGetty Images

posted2012/12/03 10:30

強欲オーナーと解体セール。~マーリンズの「悪癖」を憂う~<Number Web> photograph by Getty Images

地元から大ブーイングを浴びているロリア。エキスポズ・オーナー時代にも球団売却の「前科」あり。

年俸の高騰を嫌い、主力選手を売り払うオーナーたち。

 が、ハイジンガは彼らの高年俸を嫌った。

 アルーを皮切りに、ネン、コーナイン、ブラウン、ライターがトレードされた。'97年に28球団中7位にまで上昇した年俸総額は、翌'98年、30球団中20位という指定席に戻った。

 つぎの解体は、'03年、2度目のワールドシリーズ制覇を果たしたあとである。

 このときのオーナーは、ジョン・ヘンリーを経由して、現在のオーナーであるジェフリー・ロリアに替わっている。

 王者の称号も束の間、財布の中身がなにより大事なロリアは、主力選手をつぎつぎと売り払った。

 カルロス・デルガドとポール・ロデューカはメッツへ、フアン・ピエールはカブスへ、ジョシュ・ベケットとマイク・ローウェルはレッドソックスへトレードされた。さらに、FAの資格を得たA・J・バーネットやアレックス・ゴンザレスも古巣残留の道は選ばなかった。

 '03年開幕時4880万ドルだった年俸総額は'06年開幕時、1500万ドルにまで下がっている。以後の7年間、マーリンズは2度しか勝ち越すことができなかった。

新球場、球団名変更、戦力の増強などプラス要素が多かった今季。

 それでも'12年のマーリンズには、注目が集まっていた。

 新球場や球団名変更という心機一転の要素もさることながら、レイエスやバーリーやベルの加入、ジョンソンやラミレスの復調といったプラス要因がいくつも眼についたからだ。

 が、期待された戦力は機能しなかった。ギーエン采配も、負の部分ばかりをさらけ出した。

 そうなると、強欲オーナーのロリアはもう我慢できない。

 焼け残った選手たちを少しでも高く売り払い、その一方で年俸総額を極端に切り詰める作戦に出たというのがいまのありようだろう。

【次ページ】 選手を追い出す前に、強欲なオーナーが交代すべき!?

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