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川崎フロンターレの名物部長、再び。
今度はNHKのキャラとコラボだ! 

text by

木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

PROFILE

photograph byFrontale/NHK・NED

posted2012/11/29 10:30

川崎フロンターレの名物部長、再び。今度はNHKのキャラとコラボだ!<Number Web> photograph by Frontale/NHK・NED

子供たちに絶大な人気を誇る本家オフロスキー(右)と「オフロンスキー」こと中村憲剛(左)。オフロスキーの小林顕作は脚本家・演出家としても有名で、ダンス・カンパニー・コンドルズの旗揚げからのメンバーであり、阿佐ヶ谷スパイダースなどの客演もこなしている。

周囲が驚くそのアイデアは、自宅のフロで誕生する!?

 天野のアイデアを出すコツは、自宅の湯船につかりながら考えることだ。携帯電話を片手に汗を流しながら、次々と頭の中にダジャレが浮かんでは消えていった。

「とにかく『フロ』がキーワードなので、まず浮かんだのが『アフロ』。シャンプーのメーカーも絡められるかなとかね(笑)。『フロリダ』もすぐ思いついた。あとはアイウエオ順に、アフロ、イフロ、ウフロというふうに、ひたすら考えるんです。いつもだったらパッと出てくるんですが、行政も参加するから企画が緩すぎるとダメですしね」

 ひらめきは突然、訪れた。

 天野には幼い子供がおり、NHK Eテレ(当時は「教育テレビ」)の番組『みいつけた!』をときどき目にしていた。そしてあるときオフロスキーという人気キャラクターがいることを知ったのである。

「オフロスキーを見つけたとき、『来たー!』って思った。それまでも番組を見ていたはずなのに、自分の中でNHKは無理だろうという先入観があったのかもしれません。YouTubeですぐに検索して、Twitterでも数十秒ごとに話題になっていたから、確信に変わった。このキャラクターならシュールでちょっとニッチで、フロンターレのサポーターたちにも響くと」

「銭湯をいっしょに救いませんか?」

 幸いフロンターレには、過去にNHKとコラボした経験があった。2005年にフロンターレの選手がNHK Eテレの番組『ピタゴラスイッチ』に出演し、『アルゴリズム行進』(数人が一列になって行なうマスゲーム的体操)を行なったのだ。

 天野はそのつながりから、番組の担当者にコンタクトを取ってもらえることになった。

「ここでひとつ工夫したのは、『会う目的を担当者に伝えないでください』とあえて秘密にしてもらったこと。『フロンターレが何か考えている』とだけ伝えてもらいました。この時点で跳ねられるのが嫌だったからです」

 無事にアポイントが取れ、担当者に会うと、天野は単刀直入に思いをぶつけた。

「銭湯をいっしょに救いませんか?」

 担当者は予想もしなかった案件に「え!?」と驚きの声をあげたが、「男性の育児参加も促せます」という説明にも後押しされ、前向きに検討してもらえることになった。

 運が良かったのは、オフロスキーを演じる俳優の小林顕作が、中学校・高校でサッカーをプレーした経験があり、大のサッカー好きだったということだ。さらにオフロスキーを考案した人気イラストレーターの大塚いちおが銭湯画のデザインに興味を抱いてくれ、2人とも協力を快く承諾してくれた。贅沢なことに、今回のロゴやチラシのデザインはすべて大塚が手がけている。

【次ページ】 小学生未満へのアプローチが非常に難しいJリーグ。

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