フットボール“新語録”BACK NUMBER
川崎フロンターレの名物部長、再び。
今度はNHKのキャラとコラボだ!
text by
木崎伸也Shinya Kizaki
photograph byFrontale/NHK・NED
posted2012/11/29 10:30
子供たちに絶大な人気を誇る本家オフロスキー(右)と「オフロンスキー」こと中村憲剛(左)。オフロスキーの小林顕作は脚本家・演出家としても有名で、ダンス・カンパニー・コンドルズの旗揚げからのメンバーであり、阿佐ヶ谷スパイダースなどの客演もこなしている。
「Jリーグのチーム数の多さとか、不景気を言い訳にしたら何も 進まない。小石を1個ずつ投げ込み続ければ、いつか川の流れを せき止められるんです」
天野春果(川崎フロンターレ・プロモーション部部長)
映画でも、小説でも、第一弾、第二弾とシリーズ化され、第三弾ともなれば、少しずつスケールダウンしていくのが世の常だろう。
だが、川崎フロンターレの“銭湯企画”は違った。
第三弾を迎える今回、天野春果プロモーション部部長の奇想天外な発想により、NHK Eテレ(NHK教育テレビ)とのコラボレーションという全国区のキャンペーンが実現した。
その名は『イクフロ』。
文字通りお風呂を通して育児を進めようという企画で、中村憲剛扮する『オフロンスキー』という水色の怪獣(?)がメインキャラクターだ。
現在、NHK Eテレで『みいつけた!』という子供番組が放送されており、『オフロスキー』というピンク色の着ぐるみのキャラクターが登場する。今回、NHK Eテレの協力により、その本家オフロスキーと、憲剛版オフロ“ン”スキーがタッグを組むことになった。
2010年にスタートした銭湯利用促進企画「いっしょにおフロんた~れ」は、第一弾で特製タオルを配るなどのキャンペーンを行い、第二弾では人気漫画テルマエ・ロマエとのコラボレーションを実現。
特に第二弾が高く評価され、天野は銭湯業界の救世主として、今年6月の全国浴場組合の会合に講演者として招待されたほどだ。天野はローマ時代の衣装を着て、風呂桶を抱えて登壇し、講演後にはスタンディングオベーションが沸き起こったという。
NHK Eテレは全国津々浦々までカバーしている公共放送局だ。12月6日にキャンペーンがスタートしたら、さらに大きな反響があるに違いない。
フロンターレの次の狙いは……「イクメン」だ!
もちろん、このキャンペーン実現までのレールが、最初から用意されていたわけではない。昨年末、企画のスタート時点で決まっていたのは、育児をテーマにするということだけだった。
天野は言う。
「イクメン(育児を率先して行なう男性)って言葉があるじゃないですか。そういう育児の要素を組み入れると面白いなって思ってスタートしたんです。まずは行政から、川崎市人権・男女共同参画室が加わってもらえることが決まった。『家族のコミュニケーションを深めて行くきっかけを作りましょう』と。やっぱり行政に協力してもらえるのは大きいです。ただ、これに川崎市の浴場組合を加えた3者だけだとちょっと地味。どんな要素を加えればいいか、というのが最大のポイントになりました」