詳説日本野球研究BACK NUMBER
今ドラフトは“右投右打”が大人気!!
統一球が変えつつある強打者の条件。
text by
小関順二Junji Koseki
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2012/11/14 10:30
広島からドラフト1位指名を受け、仮契約を結んだ龍谷大平安高の高橋大樹。高校通算43本塁打の長打力を持ちながら、俊足も魅力の超高校級外野手だ。
今年のドラフトは多くの見どころがあった。
藤浪晋太郎、東浜巨らの交渉権争奪戦、菅野智之の巨人入りの成否、そしてメジャー挑戦を表明した大谷翔平――。
これらは、すでに様々な形で報道されているが、実はもう一つ大きな見どころがあったことが意外と知られていない。
それは、右投右打の野手が大幅に増え、右投左打の野手が大幅に減ったことだ。過去5年間の推移を見ていこう。
|
|
|
|
■2008年ドラフト |
右投右打の野手 ⇒ 15人 |
右投左打 〃 ⇒ 5人 |
右投両打 〃 ⇒ 1人 |
左投左打 〃 ⇒ 4人 |
これまで右投左打の野手がいかに多く指名されていたかわかる。当然、そういう傾向が生まれたのは右投左打の有効性をプロ野球界が信じたからである。
'08年以降、打撃10傑に占める右投左打の割合を次に紹介する。
|
|
右投左打のヒット量産ぶりがうかがえる。左打ちは一塁ベースに近い利点があるので、内野安打を稼げる。さらに先発投手は左腕より右腕のほうが多いので、左打ちの有効性が発揮しやすい。これらのことが右投左打の有効性の根拠になったわけだが、昨年球界に革命がもたらされ、右投左打の神話は崩壊した。その革命とは統一球の導入である。