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今ドラフトは“右投右打”が大人気!!
統一球が変えつつある強打者の条件。
text by
小関順二Junji Koseki
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2012/11/14 10:30
広島からドラフト1位指名を受け、仮契約を結んだ龍谷大平安高の高橋大樹。高校通算43本塁打の長打力を持ちながら、俊足も魅力の超高校級外野手だ。
飛びづらい統一球の導入で“右投左打の神話”が崩壊。
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'11年から本塁打数がどんどん減っていくさまが手に取るようにわかる。
そして、本塁打数の多寡は、現在のところ、見事にチーム成績に反映されているようなのだ。統一球が導入された'11年以降のチーム成績と本塁打数を紹介する。
――'11年――
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――'12年――
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大まかに本塁打の多い球団がAクラス、少ない球団がBクラスという傾向になって表れている。そして今年は、本塁打を10本以上打っている選手がパ・リーグ10人、セ・リーグ17人いて、このうち右投左打はセの阿部慎之助(巨人)、ブラゼル(阪神)、筒香嘉智(DeNA)の3人しかいない。あとの21人は右投右打で、3人が左投左打である。こういう結果が出るとドラフトで右投左打は指名しづらい。
毎年のように本塁打不足に悩まされている広島が1位で超高校級スラッガー、高橋大樹(外野手・龍谷大平安)を指名したのを筆頭に5位まで野手を指名し、その全員が右投右打だったことは象徴的である。同じようにDeNAも3人の野手を指名し、全員が右投右打だった。