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<プロゴルファー7年目の決意> 有村智恵 「自分のためにアメリカへ」
text by
雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph byTakuya Sugiyama
posted2012/11/08 06:02
挑戦を決断させたのは、宮里藍からのメールだった。
米ツアー挑戦を思い立ったとき、有村が真っ先に相談したのはやはり宮里藍だったという。宮里からのメールにはこう書いてあった。
「アメリカでも日本でも智恵が自分らしくいられる環境を選べばいいよ」
自分の気持ちに素直に従えばどちらを選ぶべきなのか。そのメールを見たとき、考えずとも有村には答えが出ていた。
覚悟は決めた。だが、道はまだ保証されていない。10月末の時点では、来季の出場権を得るには、日米両ツアー共催のミズノクラシックで優勝するか、11月下旬に行なわれる米ツアーのファイナルQTで上位に入る必要がある。どちらも易しい道ではないが、自分自身の選んだ道なら苦ではない。
すでに新しい戦いの中に身は投じた。決断の正否など誰にも分からない。それでも米ツアーに挑もうとする決意と行動の先には、求める新しい自分がいるはず。有村はそう信じている。