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鉄壁守備でアーセナルが優勝候補?
失点が激減した裏に新助監督の存在。 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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posted2012/09/26 10:30

鉄壁守備でアーセナルが優勝候補?失点が激減した裏に新助監督の存在。<Number Web> photograph by Getty Images

アウェイでの第5節マンC戦で、劇的な同点ゴールを決めたコシェルニーのもとに集まるアーセナルの選手たち。ベルメーレンが急遽病欠となった同ゲームでも、マンCの攻撃を1点に抑えた。

ファンペルシが抜けた穴を感じさせない、攻撃陣の活躍。

 自慢の攻撃面でも、こちらは心配されて当然の、ファンペルシの穴を露呈することなく開幕1カ月目を終えた。カソルラは、開幕デビュー戦からチャンスに絡み、アーセナル向きのセンスの持ち主であることを世に知らしめた。連係が順調なポドルスキは、ベンゲルが「必殺」と目を細める左足で、国内でも欧州でも既に得点をもたらしている。

 移籍2年目のジェルビーニョも、新戦力と評してよいほどのインパクトだ。先発の機会が増えたFW兼ウィンガーが感じさせる自信は、守備面の変化に勝るとも劣らぬ昨季との違いだと言える。CFで先発したサウサンプトン戦では、急遽、途中出場した吉田麻也のマークを外し、GKとの1対1から決めたゴールを含む2得点。「動きが良いので、プレシーズン中から考えていた」という、指揮官の1トップ抜擢に見事に応えた。

 続くモンペリエ戦では2列目右サイドで起用されたが、ここでもタッチライン沿いで展開に絡んだ後、足を止めずに中央からボックス内に顔を出し、クロスに合わせて逆転ゴールを決めている。アーセナルの攻撃は、昨季リーグ得点王をマンUに奪われ、中枢となるべきジャック・ウィルシャーを怪我で失ったままでも、十分にシャープでリズミカルだ。

評価急上昇のベンゲル監督は“始めよければ終わりよし”!?

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 もちろん、シーズンの先は長く、主力の故障といったアクシデントもあり得る。巷の意見では、開幕前に予想された「4位争いの一角」から、「優勝争いの一角」に昇格した感があるが、優勝候補相手の実力テストは、今節のマンチェスター・シティ戦が今季初めてだった。

 だが、そのテストの結果は合格(1-1)。今季取組み中のゾーンマークが裏目に出て、前半のセットプレーで先制されたが、後半には、クリアの意識を再徹底して改善が見られた。リーダーのベルメーレンが病欠した最終ラインでは、パスカットやブロックで要所を締めるペア・メルテザッカーの姿が際立っていた。CK後のセカンドボールから同点ゴールを決めたのは、代役で先発したローラン・コシェルニー。そのCKを強烈なミドルで奪ったカソルラは、両軍を通じて最高の出来を見せた。

 “始めよければ終わりよし(Well begun is half done)”という諺もある。昨季序盤には、「解任」という言葉まで囁かれた北ロンドンの指揮官は、新戦力のフィットに関して「さすがの鑑定眼」、既存戦力の奮起に関して「見事な信頼感」、守備力の向上に関しては「意外な柔軟性」と、好意的な世間の言葉を聞きながら今季のスタートを切った。

 ライバル関係にある西ロンドンの住人としては複雑な心境だが、心の中で喜ぶ日本人の自分がいる。

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