野ボール横丁BACK NUMBER
広島カープを斬りまくる地元紙コラム。
その健全な批判精神と「鯉愛」の極み。
text by
中村計Kei Nakamura
photograph bySports Graphic Number
posted2012/09/26 12:15
9月18日付の中国新聞の朝刊、スポーツ面の「球炎」。その気骨ある筆致は、広島カープのチームカラーに通じるものがある。
「球炎」と、日本でいちばん美しい天然芝のスタジアム。
複数の記者が担当しているのだが、彼らは普段どんな思いで球場通いを続けているのだろう。あんなことを書いて恨まれやしないかと、ドキドキしているのではないか。
だが、それがすべてではないにせよ、そうして書かれた記事だからこそ、その対価として我々はお金を払うのだ。
中国新聞の朝刊は、一部130円である。安いものだ。「球炎」を読むだけでも、その元は取れる。
もし、特にファンの球団がないという人がいたならば、2泊3日ぐらいの日程で広島を訪れて欲しい。
「球炎」と、日本でいちばん美しい天然芝の野球場、マツダスタジアム。この2つがあれば、少なくとも、広島滞在中は熱烈な「鯉党」になり切れる。ひいきのチームを持つということの、何と幸福なことか。