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ワイルドカードが2枠に増えて大激戦。
MLBポストシーズンに生き残るのは?
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byGetty Images
posted2012/09/15 08:01
怒涛の快進撃でナ・リーグのワイルドカード争いに食い込んできたブルワーズ。青木宣親も8月後半以降調子を上げ、安打を量産。リードオフマンとしての存在感を高めている。
ワイルドカード、ポストシーズンで鍵を握る選手は?
ワイルドカード争い、そしてその先に控えるポストシーズンで鍵を握りそうな選手をあげて紹介しておこう。
●アダム・ジョーンズ(オリオールズ/ア・リーグ東地区)
かつてマリナーズでイチローと右中間を組んでいたが、いまやすっかりオリオールズの看板選手に。本拠地のカムデンヤーズは狭いこともあって、本塁打が期待できる。運動能力を生かした守備も魅力。
●チッパー・ジョーンズ(ブレーブス/ナ・リーグ東地区)
1995年、野茂英雄とナショナル・リーグの新人王争いをしたのがチッパー・ジョーンズだった。その彼も今年限りで引退を表明しているが、打率は3割近く、まだまだ現役で活躍できる雰囲気だ。
しかし、守備力では衰えを見せており、9月12日のブルワーズ戦では、彼の拙守がきっかけとなって8失点を喫した。ポストシーズンでは彼が打撃面でプラスに働くか、それとも守備で足を引っ張ってしまうのか、とても気になる。
ただし、ブレーブスは「チッパーのラストシーズン」ということでモチベーションが高まっている。
●クレイトン・カーショー(ドジャース/ナ・リーグ西地区)
昨季のサイ・ヤング賞投手だが、今季も信頼に足る投球を見せている。ところが打線の援護が少ないのが悲しい。9月13日時点での成績は12勝9敗。しかし、防御率は2.70と申し分のない数字だ。
かつてドジャースでチームメイトだった黒田博樹によれば、「気持ちの入った選手」とのことで、ビッグゲームになればなるほど力を発揮するタイプの選手だ。
名門ドジャースがポストシーズンに駒を進めれば盛り上がりを見せるし、ぜひともドジャースのエースを見てみたい。