ロンドン五輪EXPRESSBACK NUMBER
目標としてきたブラジルを倒せるか?
眞鍋ジャパン、準決勝の勝機を探る。
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byKaoru Watanabe/JMPA
posted2012/08/09 13:00
1984年ロサンゼルス五輪の銅メダル以来となる、28年ぶりのメダル獲得に挑む眞鍋監督。
昨年のW杯で、29年ぶりに三大大会でブラジルに勝利!
そして昨年のワールドカップで、日本はブラジルをストレートで破った。
三大大会でブラジルに勝ったのは29年ぶりのことだ。ワールドカップ前半の日本は不振にあえいでいたが、ブラジル戦の勝利をきっかけに勢いに乗り、その後、強豪のドイツ、アメリカをくだした。
「ワールドカップのブラジルは調子が悪かったですけど、それまでは調子の悪いブラジルでもほとんど勝てませんでしたから、そういう意味では三大大会で勝っているということは、選手にとっては非常に自信になっていると思います」と眞鍋監督は語る。
「4年前のブラジルはダントツに強かったですが、今回は、前回よりはまだ隙はあるのかなと思います」と指揮官は分析する。
チームの核となっていたベテランセッターのエリア・ソウザが北京五輪後に代表を退いて以降、ブラジルはセッターの世代交代に苦労していた。今大会の予選ラウンドも2人のセッターを併用してチームが安定せず、Bグループ4位での通過だ。しかし、連覇を狙う女王は勝負どころをわきまえている。準々決勝では、Aグループ1位通過のロシアを、第5セット21-19という激戦の末に破って準決勝に進出してきた。
勝利の鍵は「サーブとサーブレシーブ」、そして、ふたりのエース。
エンジン全開のブラジルに対し、眞鍋監督が勝敗の分かれ目に挙げるのが「サーブとサーブレシーブ」だ。前日練習のほとんどはその練習にあてたという。
ブラジルはミドルブロッカーの2人が190cmを越える長身でパワーがあり、その速攻を封じるのは至難の業だ。そのため何としてもサーブで崩してミドルの攻撃をなくし、サイド攻撃をブロックとディグで粘り強く拾う展開に持ち込みたい。
また、指揮官は準々決勝で復活したエースの決定力に期待を寄せる。
「あと2戦も、木村と江畑の2人が活躍しないと勝てないと思っています。2人は中国戦で大車輪の活躍で、当然ブラジルもそこを抑えてきますから、そのあたりはいろんな戦術で……」