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決して飽きることがない
大リーガーのイチロー。
~10年分のインタヴューを読んで~
text by
![向井万起男](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/6/3/-/img_63c0172edf1a3eec5d5017836b5eb9301895.jpg)
向井万起男Makio Mukai
photograph bySports Graphic Number
posted2010/05/23 06:00
![決して飽きることがない大リーガーのイチロー。~10年分のインタヴューを読んで~<Number Web> photograph by Sports Graphic Number](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/2/d/350/img_2d783cc768b4101e14a8f15c10e7448428256.jpg)
『イチロー・インタヴューズ』 石田雄太著 文春新書 952円+税
モットーは「他人に厳しく、自分に甘く」?
さて、『イチロー・インタヴューズ』。著者が約10年の間にイチローにインタヴューした内容が時系列的に並んでいる。こうしてまとめられたものを読んで、私が感じたことを正直に言うと、“この人は普通の人だ。でも、実に賢い人なんだ”ということになる。だって、こんなことを言っているんですよ。「一番苦しいと感じるのは、できるのにできないということ」とか、「去年、行き着いた一つの答えは、プレッシャーを克服する方法なんて、結局はないんだ、ということです」。
その一方で、或る時は「イチローという選手に対する見方は、僕が一番厳しかったということ」なんて言っておきながら、或る時は「僕のモットーは『他人に厳しく、自分に甘く』。これが基本的なコンセプトですから(笑)」なんて言っているあたりも実にイチローらしい。人を煙に巻くというか、会話によるエンターテインメント術を心得ている。
イチローのこの賢さと技を知っているのが日本人だけというのでは惜しい。……髭で有名なジェームズ・リプトンが映画人にインタヴューするテレビ番組のようなものにイチローが出て本領を発揮する姿を見てみたい、と私は思うけど。
文春新書
~スーパースターが語り尽くした100時間~
2000年秋、メジャー行きこそ決定したものの所属球団が未定の時点で、期待と不安が入り交じった気持ちの告白。数多(あまた)の記録の樹立。絶不調の中、自らのバットで決めたWBC連覇。そして10年目のシーズンを迎える2010年の抱負まで──。9年半に及ぶスーパースターのすべてがここに語られています。
<本体1,200円+税/石田雄太・著>
▶ 書籍紹介ページへ(文藝春秋BOOKS)
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