ロンドン五輪代表、最大の挑戦BACK NUMBER
<五輪代表連続インタビュー#9> DF・山村和也 「とにかく自分のできることを」
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byAtsushi Hashimoto
posted2012/05/22 10:31
5月18日現在、15位という下位にあえぐ鹿島アントラーズは、失点の多さが気になるところ。「大学とは違う。ひとつのミスが失点につながってくる」と気を引き締める山村和也だが、鹿島のルーキーにかかる責任は大きい。
OA枠、海外組、他にも能力の高い選手は多い。
――メンバーは18名という狭き門だけど。
「厳しいのは、自覚しています。(鹿島でチームメイトの)大迫(勇也)ともちょくちょく話をしますが、OAも入ってくるだろうし、海外組もいる。既存のメンバーも能力の高い選手が多いですからね。ただ、自分が有利だなっていう点もあります。2つのポジションをできることとボランチでは高さがあること。チームの中盤は背の低い選手が多いんで、ロングボールを跳ね返せるのは強みかなと思います。とはいえ、絶対的な自信はないんで、頑張るしかないですね」
――ロンドンに、連れて行かないといけない人もいる。
「そうですね(笑)。嫁には、怪我している時も支えてもらったんで、日本代表に選ばれて、日本のプライドを持って世界と戦っている姿を見てもらいたいですね」
すでに本大会の組合せは発表されている。初戦は強豪スペイン、続いてモロッコ、ホンジュラスとの対戦が決まっている。
――この組合せは、どう感じている?
「良かったです。スペインとか強い国とやりたいなって思いましたから。でも、やるだけじゃ意味がないんで、勝てるように個人もチームも準備していかないと」
最終予選のキャプテンは本大会に出場できないというジンクス。
――自分にとって、五輪とは?
「今の段階でどれだけ自分の力が世界に通じるのか、試したいというのが本当のところですね。それは、大学にいた時から変わらないです。あとはひとつずつ勝って行って、メダルを獲りたいですね」
五輪代表には、最終予選を戦ったチームキャプテンは、本大会に出場できないというジンクスがある。アテネ五輪の時は鈴木啓太、北京五輪の時は伊野波雅彦が本大会に出場することが出来なかった。山村は、2大会続いたジンクスに挑むことになる。
――魔のジンクスは?
「最近よく言われますが、それはもう打ち破るしかないですね。そうすれば次の人は言われなくなる。自分が五輪に出て、そのジンクスを今回で終わりにします」