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<なでしこ本音トーク in France> 鮫島彩×宇津木瑠美 「これがふたりの生きる道」
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph byTakuya Sugiyama
posted2012/05/15 06:00
フランスの強豪、モンペリエでプレーする彼女たち。
海外を選んだ理由から、それぞれの結婚観まで、
ふたりだけの“女子会”ですべてを語り尽くす!
海外を選んだ理由から、それぞれの結婚観まで、
ふたりだけの“女子会”ですべてを語り尽くす!
昨年の女子W杯、不動の左サイドバックとして優勝に貢献した鮫島彩。震災の影響で所属していた東京電力マリーゼが活動停止となり、一時はアメリカに渡ったが、大会後、腰を据える新天地として選んだのは、フランス1部リーグのモンペリエHSCだった。
一方の宇津木瑠美は、中学時代から名門、日テレ・ベレーザで大型レフティとして期待を集めた、いわばエリートだ。W杯では短い出場時間に終わったが、23歳にしてすでに代表歴8年目。鮫島より一足早い2010年に日本を飛び出し、モンペリエでプレーしている。
その日、待ち合わせ場所にあらわれた彼女たちはスーパーのレジ袋を手に提げていた。
「すいません、ちょっと時間があったので買い物しちゃって」
ほんの少しだけ恥ずかしそうに言う。
旧市街を歩きながら、モンペリエという街について教えてくれる。美しい所だから時間を作ってでも観光したほうがいい、レストランは注文から時間がかかるけれど大概とってもおいしい、中心部の路地が狭くて運転している車をぶつけちゃった、などなど。宇津木が先導して話し、ひとつ年上の鮫島が突っ込み、説明を入れるナイスコンビネーション。日々の充実ぶりは容易に想像できた。
――約1年、モンペリエで一緒にプレーしているおふたりですが、もともと代表などで仲は良かったんですか?