オリンピックへの道BACK NUMBER
女子バレーが五輪で狙うは金メダル!
“IDバレー”で世界最終予選に臨む。
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byMichi Ishijima
posted2012/05/18 10:30
眞鍋監督のもと、「団結力」を高めてきた代表チーム。今予選で、真鍋監督は開催国に与えられる、2試合の指定権を使い、ラストに欧州チームとの対戦を選択した。
ブロックされる前にスパイクを打てば身長差は埋まる。
さらに、攻撃の高速化を図った。トスからスパイクまでの時間をぎりぎりまで短縮しようと試みたのだ。バレーボールは、どうしても海外のチームとの身長差が課題となる。相手にまともにブロックを飛ばれてはスパイクが決まらないから、ブロックの体勢が整う前に打つことで克服しようという意図である。
選手も充実している。
アテネ五輪に高校3年生で出場、北京五輪代表でもあった木村沙織は、攻撃、サーブレシーブの中心としてエースの風格を漂わせるし、セッターの竹下佳江、キャプテンの荒木絵里香も健在だ。さらに昨年のワールドカップでは、新鍋理沙、岩坂名奈ら若手も台頭した。
そんなチームの状況に対して、木村は、こうコメントしている。
「全員がオリンピックに向けて一つになってきて、年々強くなっていると思います」
「団結力」で大目標の金メダルに向けて突き進む。
掲げてきたのは、ロンドン五輪でのメダル獲得。そのためにも、ぜひ、1位で通過してほしい。最終予選への出場国がすべて決まるのは開幕直前の5月中旬になるが、どこが出場することになろうと、欧州から出場する2カ国は侮れない。
むろん、オリンピックを視野にする彼らは、最終予選での目標を高く据えている。
眞鍋監督は、このように抱負を語る。
「最終予選での1位通過が目標です。そして本大会では金メダルに挑戦したいと思っています」
そして勝負のポイントを、「団結力」と言う。
組織力をあげることで、世界上位への復権を目指してきた全日本女子の、集大成のシーズンが、いよいよ始まる。