オリンピックへの道BACK NUMBER
“確実性”の女子と“高難度”の男子。
NHK杯で体操の五輪代表選考を追う。
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byYUTAKA/AFLO SPORT
posted2012/05/08 10:30
勢揃いした日本代表選手たち。後列左から、田中佑典、加藤凌平、山室光史、田中和仁、内村航平。前列左から、新竹優子、鶴見虹子、寺本明日香、美濃部ゆう、田中理恵。
「(団体で)金メダルが狙えるメンバーだと思います」
こうして男女、オリンピックに臨むメンバーは決まった。
女子は、個人種目で上位を目指すのは難しいことから、団体を目標の中心に据えてきた。今大会では選考会であることを意識し難度を下げて確実性を狙った選手が多かったが、オリンピックではそういうわけにはいかない。塚原千恵子強化本部長もこう語る。
「もっと加点があるように技も強化してきたのに、今回は出なかったのが残念です」
オリンピックまでの残りの期間で、どこまで高難度の技を確実にこなせるようになるか。それが上位進出の鍵となる。
男子は、内村の個人総合金メダルはむろんのこと、選考方法でもこだわったように、団体での金メダルが大きな目標だ。
NHK杯でもあいかわらずの安定感で演技をこなした内村は、こう語る。
「金メダルが狙えるメンバーだと思います。団体への気持ちは何よりも大きいです。個人だと1人の喜びなので、チーム5人で取ったメダルはもっとうれしいんじゃないかと思うので、こだわっています。チーム5人で笑ってオリンピックが終われるように、大きな目標を達成したいと思います」
田中佑典も言う。
「(団体金メダルの)アテネ五輪の感動を再現したいです」
オールラウンダー、スペシャリスト、その双方をそろえた日本男子の代表たちは、打倒中国だけを見据える。