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ザックジャパンで先発並みの存在感。
3-4-3で注目の清武弘嗣&酒井宏樹。 

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二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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photograph byAsami Enomoto

posted2012/05/07 10:30

ザックジャパンで先発並みの存在感。3-4-3で注目の清武弘嗣&酒井宏樹。<Number Web> photograph by Asami Enomoto

五輪代表では大黒柱となった清武弘嗣(写真右)はA代表でも期待の存在。酒井宏樹はA代表キャップはないが、ザックもその能力を高くかっている。

6月は欧州組のコンディションが最も落ちる時期となる。

 前回のコラムでも指摘したが、この6月という時期は海外組にとってオフシーズンにあたり、コンディションの維持が難しいとされる。

 4-2-3-1の布陣で考えてみれば2列目の主力は香川真司、本田圭佑、岡崎慎司と海外組が多く、香川と岡崎については蓄積された疲労度が気になるところ。またケガで離脱時期の長かった本田に関しては、3連戦をこなせる状態であるのか今の段階では不透明だと言える。

 当然、コンディションのいい国内組を含めてメンバーを入れ替えながら3連戦を乗り切るという選択肢が、ザッケローニの頭のなかにあるはずなのだ。

最近絶好調の清武は、先発ローテーション入りも!?

 清武のここ最近の絶好調ぶりを見るだけでも、「先発ローテーション」に食い込んできてもおかしくはないと思われる。

 元々ボールコントロールに秀でている清武ではあるが、最近は圧倒的にミスが少なくなったように思う。「自信のないプレー、判断が結局はミスを生む」というのは川崎フロンターレの監督に就任した風間八宏氏の言葉だが、今の清武も揺るぎない自信があるからこそミスを生まない。清武の攻撃力のみならず、オマーンやヨルダンの武器であるカウンターに対する守備のリスクマネジメントを考慮しても、ますます彼の存在価値は高まってきている。

 一方、酒井にも先発のチャンスは十分にあると踏む。

 現在、彼のA代表での地位は右サイドバックで3番手あたりと言ったところだろうか。レギュラー不動の内田篤人がいて、サブに両サイドでプレーできる駒野友一が控えている。しかも清武とは違って、これまで公式試合では一度も起用されていない。しかし、4月の代表候補合宿でのパフォーマンスは、今の順位に収まるつもりはないという野心的な輝きを放っていた。

 同サイドの清武が中に絞るや否や果敢に駆け上がり、右サイドの崩しから得点につなげている。ザッケローニからはピッチ上で長時間にわたって3-4-3のレクチャーを受けており、彼に対する大きな期待が窺えた。

【次ページ】 ザッケローニ監督が匂わせる3-4-3の採用。

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