日本代表、2014年ブラジルへBACK NUMBER
ザックジャパンで先発並みの存在感。
3-4-3で注目の清武弘嗣&酒井宏樹。
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byAsami Enomoto
posted2012/05/07 10:30
五輪代表では大黒柱となった清武弘嗣(写真右)はA代表でも期待の存在。酒井宏樹はA代表キャップはないが、ザックもその能力を高くかっている。
ザッケローニ監督が匂わせる3-4-3の採用。
酒井が先発争いに食い込んでくる理由としては、指揮官の3-4-3へのこだわりが挙げられる。
ザッケローニは「3-4-3は状況によって使う可能性のあるシステム。私は、その可能性を捨てることはしない」と4-2-3-1でスタートしたとしても昨年11月の北朝鮮戦のように、最終予選の戦いにおいてもオプションとして使用することまで匂わせているのだ。
つまりサイドバック、ウイングバック両方の役割をこなせる選手がザッケローニの理想になってくる。
3-4-3中盤の両サイドにあたるウイングバックには、まずもって対人の強さ、運動量が求められる。サイドに追い込んでボールを奪うやり方を浸透させてきており、前方ではウイングと後方ではストッパーと連係を図ってボールを奪って、攻撃につなげなければならない。
もしかすると……3-4-3なら内田より酒井に適性があるやも。
対人に強いばかりでなく、カバーリングを含めた最近の酒井の守備力の向上には目覚しいものがある。
サイドの守備で主導権を握らなければならない3-4-3のウイングバックの適性という点では、内田よりもあるかもしれない。
また、たとえ控えスタートであったとしてもU-23代表でコンビネーションを培ってきた「清武-酒井ライン」を縦のセットにして、オプションとして使ってくることも考えられる。練習試合で見せたように、息の合った縦の連係で相手を崩していければ、攻撃に変化をつけることにもなる。