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第1レグを落としたバルサとレアル。
CL準決勝第2レグに待ち受ける罠。
text by
横井伸幸Nobuyuki Yokoi
photograph byChelsea FC via Getty Images
posted2012/04/24 10:31
チェルシーの暫定監督ディマッテオ(写真右)は、興奮を抑えきれない面持ちで試合後に「バルセロナと戦うには少しだけ運も必要になる。もちろん、第2レグでも引き分けだけを考えて臨むつもりはない」と語った。一方のグアルディオラは「今日のチェルシーの守備は素晴らしかった。ただ、私たちにはゴール前での運が足りなかった」と淡々としたコメントを残した。
番狂わせという程ではないが、準決勝第1レグは2試合とも「勝つ」と思われていたチームが負けた。特にバルサの敗北は、試合の展開からすると、意外な結果だった。
チェルシーは予想どおりボールの支配権を放棄したため、バルサのボールポゼッションはUEFAの計算で72%、スペインメディアの計算では約77%に及んだ。
その上で放ったシュートは19本。うち枠内に飛んだのは6本。
ボールがバー/ポストに弾かれた2場面を含め、明白なゴールチャンスは控えめに数えても4回あった。
それなのに1得点もできず、枠内へのシュートは1本しかなかったチェルシーが1-0で勝ったのだ。
もっとも、これぞサッカーの面白いところではあるが。
第2レグの展開も攻撃のバルサに防御のチェルシーか。
カンプノウで行われる第2レグはこの90分を繰り返すことになるだろう。
即ち、チェルシーは守りに徹し、チャンスを窺ってさらなるゴールを狙う。バルサはボールを持って、試合のペースを作る。
あとはバルサがチェルシーの守備壁をいかに崩すかが問題だ。何度もチャンスを作ったとはいえ、第1レグのチェルシーのディフェンスは素晴らしかった。
中でもテリーとケーヒルのセンターバック2人。
メッシの動きに釣られなかった彼らがゴール正面に居座ったせいで、バルサ得意のコンビネーションプレーは威力を失った。
それからオビ・ミケルとメイレレスの2人。
ドログバの先制ゴール後、彼らがディフェンスライン前のスペースを巧みに消したことで、バルサの攻撃は足枷をはめられた状態になった。