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田中将大と斎藤佑樹は何が違う?
2度目の対決で見えた“エースの差”。
text by
田口元義Genki Taguchi
photograph byKyodo News
posted2012/04/18 11:15
斎藤佑樹との対決を制した田中将大は「(北海道は)僕にとっては特別な場所。ここでこういうピッチングを見せられて嬉しいですね」とコメントし、斎藤については多く言及しなかった。
“球界のエース”という見えない重圧。
「最初の1勝は苦労するんだ」
星野仙一監督はそう言った。
それはきっと、単なる先発投手としてではなく、チームを、球界を代表するエースという看板を背負う難しさを表したのだろう。
難産の末に手にした1勝。さらには、周囲からライバル視されている斎藤から勝ち取った勝利で、田中はいつもの田中に戻った。
チームメイトだった岩隈をはじめ、ダルビッシュ有、和田毅らが海を渡り、球界を背負うような絶対エースの空洞化が囁かれるなか、田中の肩にのしかかる重圧は計り知れない。
だが、この一戦で苦しみながらもエースとしての責務を果たした田中なら、これからもその座をしっかりと保持してくれるはずだ。