スポーツ・インサイドアウトBACK NUMBER
新制度の導入と新興球団の躍進。
~MLBの勢力図はどう変わる?~
text by
芝山幹郎Mikio Shibayama
photograph byGetty Images
posted2012/04/07 08:01
4月4日、新球場マーリンズ・パークで2012年シーズンの国内開幕戦が行われた。
さあ、はじまった。
2012年も、大リーグが無事に開幕した。これから半年間は、たっぷりと楽しめる。ちょっと気の早いことをいうと、今年は11月にWBCの予選も用意されている。つまり、お楽しみは半年以上だ。冬が来るまでには、相当の間がある。
今季の最大の楽しみは、やはりワイルドカードの拡張だろう。私も提案した記憶があるのだが、2010年の秋ごろから、このプランはみるみる現実味を帯びてきた。
こうなるとMLBは決断力がある。商売に結びつきそうだと考えると、実行力がさらに跳ね上がる。結果はごらんのとおりだ。この秋は、10月4日に一発勝負のダブルヘッダーが準備されている。ワイルドカード・プレーオフが、ナ・リーグで1試合とア・リーグで1試合。その時期が近づいたら、「最もスリリングな一発勝負」と囃されることだろう。私も異議はない。
だが、その前に長丁場がある。野球の戦い方の基本的なフォーマットというべき、半年間=162ゲームのレギュラーシーズンがある。「ワイルドカード2枚制」の導入によって、今季はなんといってもレギュラーシーズンの価値が上がった。各地区で優勝しておかないことには、ポストシーズンの立ち上がりでへとへとにされてしまうからだ。これは避けたい。そのためにも、地区制覇は無視しがたい必要条件だ。消化試合は激減するだろう。
各地区の優勝チームとワイルドカードを予想する。
では、例年どおり、各地区の覇者とワイルドカードを予想してみよう。またか、と笑われるかもしれないが、この時期の私はけっこう真剣に占っているのだ。
〈ナ・リーグ〉
東地区=マーリンズ
中地区=レッズ
西地区=ジャイアンツ
ワイルドカード=フィリーズ
ワイルドカード=ダイヤモンドバックス
〈ア・リーグ〉
東地区=ヤンキース
中地区=タイガース
西地区=エンジェルス
ワイルドカード=レンジャーズ
ワイルドカード=レイズ