リーガ・エスパニョーラの愉楽BACK NUMBER
カップ戦で大躍進、リーグで絶不調。
A・マドリーの“摩訶不思議”。
text by
中嶋亨Toru Nakajima
photograph byMutsu Kawamori
posted2010/04/23 10:30
欧州屈指の2トップ、フォルランとアグエロを擁していながら、リーガでは10位と低迷する
リーガでの順位を早々に諦め、別の道を歩むアトレティコ。
国王杯のファイナリストとなったアトレティコは、対戦相手であるセビージャが来季のチャンピオンズリーグ(CL)あるいはELの出場権を獲得する可能性が極めて高いため、来季もELに出場できると見られている(※注)。そのためアトレティコのサポーターは、10位というリーガでの苦戦をそれほど気にしなくなっている。
リーガの終盤に3連敗を喫しEL圏内からも遠ざかったことで、キケはカップ戦重視の選手起用を示唆している。
「これからはEL準決勝のリバプール戦、国王杯決勝のセビージャ戦を最優先にしたスケジュールを組んでいく。タイトルにより近づくことが、今季残りの目標だ」
カップ戦に照準を絞ったアトレティコは、リーガと国王杯を制し、サポーターが“栄光の二冠”と呼ぶ1995-96シーズン以来のタイトル獲得を実現できるのだろうか。
※注国王杯優勝チームには来季のEL出場権が与えられる。5位(4月20日現在)のセビージャがリーガでCL(1~4位)あるいはEL出場圏内(5位、6位)の成績を収めた場合、アトレティコは国王杯決勝で敗れても来季のEL出場権を手にする。