ロンドン五輪代表、最大の挑戦BACK NUMBER
バーレーン戦最大の敵は慢心!?
勝利の鍵は清武と大津の初コンビ。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byKyodo News
posted2012/03/13 11:45
バーレーン戦へ向けた直前練習での清武弘嗣(左)と大津祐樹。「清武は視野が広いし凄くいい選手。自分が使われることもできるし、使うこともできるので楽しみです」と語った大津。
バーレーンは日本に勝てば五輪出場の可能性も!
緊迫した展開では簡単には点は入らないが、マレーシア戦では我慢して繋ぐサッカーを継続していたからこそ前半35分にゴールが生まれた。今回も焦らず、自分たちのやり方を貫けば、必ずチャンスはやってくるはずだ。
バーレーンとの最終決戦に向けて、大迫不在の穴は解消されそうだが、それでもいくつか不安な要素はある。
日本は、Jリーグの日程の都合上、3日間しか調整期間がなかったが、バーレーンは試合の6日前に来日し、コンディションとモチベーションは上々だ。日本に勝てば2位でプレーオフ進出の権利はもちろん、大量得点で勝利すれば首位通過の目もある。日本に負けて以降、3連勝と調子を上げており、シリアにも打ち勝っている実力を考えれば、侮れない相手であることは間違いない。
日本代表にとって怖いのは、マレーシア戦に勝ったことでの慢心。
日本が一番恐いのは、マレーシア戦に勝って崖っ淵から解放され、「ホームだし、勝てるだろう」と、ナメてかかってしまうことだ。
2月に敗れたシリア戦も「事前にいい調整が出来て、相手をナメていた部分があった」と、何人かの選手は吐露している。どんな状況でも明るく、リラックスできるのがこのチームの良さだが、引き分け以上が求められるこの最後の試合、個々が気を引き締め、いい緊張感で試合に挑めるかどうか。
「自分たちのサッカーをして、勝って、ロンドン行きを決めたい」
清武は、そう宣言した。
マレーシア戦でチームは、自分たちのサッカーを取り戻して勝った。だが、それは、自分たちのサッカーが通用することとは別の話だ。このチームに付きまとう不安や物足りなさを解消するためには、明日は清武の言葉通り、しっかり勝って、ロンドンへの切符を手にし、自分たちのサッカーが通用するところを見せつけるしかない。