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<五輪代表連続インタビュー#7> MF・山口螢 「自分たちはまだまだ甘い」
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byNanae Suzuki
posted2012/03/12 10:30
セレッソ大阪のU-18時代にはFW起用もあったほど、攻撃力も十分備えている山口螢。アジア最終予選の最終戦となるバーレーン戦を前にして「攻撃のバリエーションをもっと増やしていきたい。ボランチとしてはもっと前に行けたらと思います」と語っている。
――2-1で敗れたシリア戦、自分たちのサッカーができなかったのはどういうところに原因があると思う?
「最初からつなぐのをあきらめていたわけじゃなく、つなぐところはつなごうとみんなで話しはしていたんです。でも、いざ試合に入ると、相手が前からプレッシャーをかけてきて、永井君のスピードを生かそうと相手DFの裏に蹴っていたんですけど、そればかりになってしまった。ピッチコンディションもひどかったので、センターバックのところでボールを回すのもリスクがあって難しかった。自分としてはしっかりつなぎたかったですけど」
――前線の選手はつなぎたい、後ろはセーフティにやりたい。その意志統一ができていなかったのが大きかったのでは?
「正直、それが一番の理由やと思います。だから、攻撃と守備の間にいるボランチの自分がお互いの考えを伝え合ってまとめられていたら良かったけど、それができなかった」
――終了間際の失点での敗戦。ショックはあった?
「それほどショックはなかったです。最後に決められたのはスーパーシュートだったけど、内容的にも負けていた。この試合に勝てばという計算もありましたけど、残りの試合で点を取って勝てばいいと思ったので、それほど落ち込んでいませんでしたね」
アウェーで弱いのは、選手が変わるからか、気持の問題なのか……。
気になったのは、またしてもアウェーで弱さを露呈してしまったことだ。昨年の2次予選クウェート戦に続き、まったくいいところがなくシリアに敗れた。アウェーでこうもサッカーが変わってしまうのはなぜなのか。
――アウェーだとどうして自分たちのサッカーができなくなるのだろう?
「俺は、失点してもあわてることなく自分たちのペースでやっていれば大丈夫だと思うんです。実際、アジア大会のときはそれができていたので。でも、それができないのは、選手が変わるからなのか、それとも気持ちの問題なのか……。正直、よくわからないのが本当のところです。たぶん、技術とか勇気とかまだまだ足りないもんがたくさんあるということやと思います」