ロンドン五輪代表、最大の挑戦BACK NUMBER
<五輪代表連続インタビュー#5> DF・鈴木大輔 「チームで絶対的な存在になる」
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byAsami Enomoto
posted2012/01/27 10:31
「(ホームで1失点していて)シリアにはやられているので、そこはしっかり抑えたい。残り3試合は全勝のつもり」と、2月5日のアウェーでのシリア戦を最重要視し、なおかつ残り全試合で勝利宣言をしている鈴木大輔
なぜマレーシア戦で守備力が急に向上したのか?
――最終予選に入る前、守備に不安があったと思うが、DFとしてどう考えていた?
「ビデオを見る限り、セットプレーから失点したりカウンターから失点したり、防げる失点が多かった。戦術的な問題というより個々の意識の問題で、ひとりひとりの選手が役割を果たしていても、どこか足りていないところがあったからだと思いました。でもそれは、それぞれが改善していけるはずです」
――最終予選初戦のマレーシア戦で守備が良くなったのは、何か特別な修正をしたから?
「それまで守備のやり方自体は変わっていません。特に選手だけで話をしたこともなかったですし、こうしようと選手で考えたわけでもないです。ただ、選手ひとりひとりがそれぞれ対応する相手に負けないようにがんばっていたのが、結果的に守備の向上という部分に結びついたんだと思います。初戦は失点ゼロで勝つことができて良かった。それまで失点が続いていて、失点多いなっていう声がかなり聞こえてきていましたからね(苦笑)」
――そういう声があったり、タレント豊富な攻撃陣と比較されて悔しい思いもした?
「正直、それはありました。でも、見ている人がそう思うなら仕方ない。自分はそういう声を封じるためにも失点ゼロを目指してやるしかないんで」
試合の流れを読んでゲームをコントロールできるようになりたい。
――アウェーのバーレーン戦に勝ち、シリア戦は1点を失ったものの勝利。最終予選はここまで3戦3勝と順調に来ているが?
「チームの出来と結果を見ると満足ですけど、個人的なプレーはまだまだですね。特に足りないと感じているのが、試合の流れを読む力です。たとえば今、押し込まれているけど、そこでクリアすべきなのか、つないで自分たちの流れにしないといけないのか。もっと細かく言うと、ラインを上げてコンパクトにしないといけないのか、耐えるときなのか、そういう試合の流れを読めるようになったら、ゲームをコントロールできる。今年はそれができるようになりたいですね」
――それは一朝一夕にはいかない?
「そうですね。まだ経験が足りないかもしれないですけど、意識してやっていかないと。あと、昨年はいろんなやられ方をしたので、それが今年、生きてきそうだなと思っています。シリア戦で10番に抜かれてゴールを決められたのも、いい経験にしないといけない。おそらく相手は2月5日の試合はもっと仕掛けてくるはず。そのとき、どれだけ対応できるか楽しみです」