試合に出られなかった苦しい半年間をどう活かすか。

「試合に出られない経験をしたとしてもね、試合に出られないなら、出られないで、体をガシャガシャいじめないといけないから。この出られない期間をね、後になって振り返ったときに、あのとき試合に出られないでも得たものがあって良かったなと思えるのか、マジで無駄な時間だったなと思うか」

　カタールキャンプから続けた必死のアピールの甲斐もあって、風向きは変わりつつある。

　後半戦初めての試合となるシュツットガルト戦の6日に前に行なわれたフィテッセとの練習試合でも、3日前に行なわれた紅白戦でも、内田は主力組の一員としてプレーした。

　ドイツメディアも、内田はシュツットガルト戦に先発するだろうと一斉に予想した。

「今の時点でだけど、スタメンに戻れたってことは、監督がちゃんと練習を見ていてくれたってことだと思う。ま、ここからが大事だよ。勝たなきゃだめよ、チームが」

　内田は、カタールからドイツに戻ってくると、ずいぶんと伸びていた髪を短く切った。これまでの苦悩の日々に、別れを告げるかのように。