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プレミア優勝候補筆頭となったマンC。
その驚愕の変貌ぶりを徹底検証する。 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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posted2012/01/03 08:01

プレミア優勝候補筆頭となったマンC。その驚愕の変貌ぶりを徹底検証する。<Number Web> photograph by AFLO

復調著しいアーセナルとの激戦を制し、首位を守ったマンC。アグエロ、ジェコ、バロテッリと得点トップ10に3人がランクする攻撃陣は圧倒的。あとは守備の充実が課題

判断力には光るものがあるが、発展途上の一面も。

 このアシストの裏には、21歳の問題児らしからぬ冷静な判断もあった。左サイドに抜けた時点で、ゴール前には味方が2名。最後の判断ミスが目立つアーセナルのジェルビーニョやセオ・ウォルコットであれば、無造作にクロスを放り込んでいたかもしれない。

 だが、バロテッリは、ターゲットが背の低いアグエロとシルバであることを見て取ると、カットインからのシュートを選択した。しかも、ニアポスト側ではなく、低い弾道でファーポスト側に打った。だからこそ、ゴールマウスを横切ったボールをGKが弾いた後、中央に詰めていたアグエロが反応し、こぼれ球をシルバが押し込むことができたと言える。

 但し、そのバロテッリはまだ発展途上でもある。チェルシー戦では、チームが10人になった後半、ベンチ前のマンチーニから、「守備を援護しろ!」、「前戦に戻れ!」などと怒鳴られ続け、肩をすくめながら指示に従っていた。

 チームメイトたちにも同じことが言える。ガエル・クリシが不用意なファウルを重ねて退場を命じられていなければ、チェルシーに逆転を許すことはなかっただろう。アーセナル戦では、同点を狙う敵に付き合って、全員が追加点を奪うことに固執した感があり、ジョー・ハートのセーブに救われたものの、決定的な危機を迎えた。

完璧主義者マンチーニの欧州制覇計画に抜かりはない。

 マンチーニは、攻撃的な基本姿勢を身につけたチームに、勝利を逃さないための微調整を施しながら後半戦を戦うのだろう。抜かりはないはずだ。元来慎重派の指揮官には、現役時代の苦い経験もある。1992年、イングランドで行われたヨーロピアンカップ(現CL)決勝で、マンチーニがキャプテンを務めていたサンプドリアは、数度のチャンスをものに出来ないうちに、FK一発でバルセロナに敗れているのだ(0-1)。

 完璧主義者のイタリア人は、マンCの監督として、欧州最高峰を目指す前の第2ステップとして、今季は国内最高峰への到達に万全を期す。

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