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イブラのバルサ批判が激辛過ぎる!!
好調ミランを支える“バッドボーイズ”。
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byGetty Images
posted2011/11/18 10:30
11月23日、グループH首位のバルサを2位ミランがホームで迎え撃つCLの大一番。イブラヒモビッチの言動にも注目が集まる
連覇を狙うミランのエンジンは暖まり、徐々に回転数が上がってきた。
開幕後こそ低空飛行が続いていたものの、本格的に首位追撃体勢に入った7節以降、怒濤の5連勝。前半の3点ビハインドをひっくり返した8節レッチェ戦と、アウェーながら相手を制圧した10節ローマ戦は圧巻だった。5戦で18得点のゴールラッシュは、ボアテングとノチェリーノによる連続ハットトリックも効いているが、やはりFW陣の好調によるものが大きい。23日に迫ったCLの大一番、サンシーロでのバルセロナ戦への期待も高まる。
しかし、この好カードが俄然きな臭くなってきた。
発端は、好調ミランの象徴ともいえるFWイブラヒモビッチが11日に母国スウェーデンで出版した自伝『俺、イブラ』だ。イタリアでも15日に発売され、不遇をかこったバルサ時代について書かれた過激な内容が、大きな波紋を呼んでいる。
イブラの自伝に書かれたバルサ勢への強烈な悪態。
「(CL準決勝でインテルに敗退直後)怒りで沸騰しそうだった。だから、グアルディオラの目の前で罵ってやった。『モウリーニョの前じゃビビッてお漏らしか! このタマ無し野郎が!』」
「シャビ、イニエスタ、メッシ。あいつら、ロッカールームでも優等生気取りだ」
延々と綴った古巣への中傷に対し、グアルディオラとメッシらの反応はトラブルを忌避する、まさに“模範解答”だった。代わりに「世界最高クラブへの嫉妬に狂った落伍者め!」といったバルササポーターからの猛批判がカタルーニャから降り注いだが、イブラは意気揚々と「俺は言うべきことを書いただけ。シャビあたりが何か言ってくるかもしれないが、今さら知ったことか」と『ガゼッタ・デロ・スポルト』紙上インタビューで語った。
自著では他にも、公道を時速325kmで暴走し警察の追跡を振り切ったことや、少年時代に犯した自転車窃盗なども告白。当然、イタリア国内からも各界の著名人から「青少年育成の模範としてふさわしくない」とかまびすしい批判が起きたが、監督のアッレグリはあくまで物腰柔らかく擁護した。
「こういう類の本には、刺激的な表現が少々あって当たり前。一体どこの誰が、教会に通う真面目な青年のことを書いた本を買いたいと思うんだ?(笑)」