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英雄、7カ月ぶりの先発フル出場!
限界説を吹き飛ばすジェラードの闘志。 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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photograph byMan Utd via Getty Images

posted2011/10/26 10:30

英雄、7カ月ぶりの先発フル出場!限界説を吹き飛ばすジェラードの闘志。<Number Web> photograph by Man Utd via Getty Images

フリーキックを蹴るジェラードと、どうしたわけかそのボールを避けるように動いてしまったギグス。この強運こそスーパースターの証である

「壁の上を越すはずだった」フリーキックで先制ゴール!

 68分、ペナルティエリア付近からのFKが相手ゴールに吸い込まれると、アンフィールドは、リバプール・サポーターによる割れんばかりの大歓声に包まれた。胸にあるクラブの紋章にキスを繰り返しながらコーナーフラッグに向かって走り、歓喜のスライディングで9カ月ぶりのリーグ戦ゴールを祝ったジェラード。FK自体は、試合後に「壁の上を越すはずだったのに」と本人が認めた蹴り損ないだったが、百戦錬磨であるはずの相手MFライアン・ギグスが、何故かシュートを避けて生まれた壁の隙間をボールが通ったあたりは、「千両役者」ならではの強運なのだろう。

 すると敵は、ルーニーとナニを投入して攻撃モードへとスイッチを切り替え、強豪同士の一騎打ちらしい、白熱した攻防戦が展開されるようになった。結果的には、マンUがハビエル・エルナンデスのゴールで引分けに持ち込んだが、内容的には、相手GKに数度のセーブを強いたリバプールが勝者となって然るべきだったと言える。そして、その中心には、パスを放って前線に駆け上がったかと思えば、中盤でのタックルでボールを奪うジェラードの姿があった。

ダルグリッシュ監督も完全復活の英雄を手放しで絶賛。

 リバプールのベテランCB、ジェイミー・キャラガーは、さぞかし頼もしい思いで、手前にいる盟友の勇姿を眺めていたに違いない。共にユースで育ったキャラガーは、「スティービーこそがクラブ史上最高の選手」と言ってはばからない。一般的には、現監督のケニー・ダルグリッシュが「リバプール最大の偉人」と認識されているが、先発フル出場で復活を告げたジェラードに対しては、当のダルグリッシュも「誉め言葉がいくつあっても足りやしない」と納得の表情で舌を巻き、「チームは4位狙いにとどまらずに上を目指すが、彼はその中心人物であり続ける」と語ったほどだ。

「ローバーズのロイ」は、不慮の事故で現役生命を絶たれてしまう。しかし、「リバプールのスティービー」は、2度の手術を経てピッチに戻り、限界説を一蹴してみせた。熱いハートとダイナミックなプレーを身上とするジェラードは、劇画タッチの活躍で、今季もファンを魅了し続ける。

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