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【キリンカップ2009 日本×ベルギー】
ウズベキスタン戦が見えた!
中村憲剛のジェラード化。
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byNaoya Sanuki
posted2009/06/02 06:01
中村俊輔が口にした賞賛と課題。
しかし、守備を放棄してしまったようなチリ、ベルギー相手だからうまくいった、という見方があるのも事実。
チームの大黒柱である中村俊輔は収穫を口にしたうえで、課題を挙げる。
「もっと強い相手だと、ケンゴくんにもっとガツガツくるはず。きょうは、ケンゴくんがフリーになるようにスペースをつくることを、していた。俺とヤット(遠藤)とケンゴくんでボールをもらいながらポジションチェンジをして、動けたのは収穫。(ウズベキスタン戦に向けて)ケンゴくんのフリーランニングを増やすとか(みんなが)1人1人もっともっと走らないといけない」
全員の運動量で味方の飛び出すスペースをつくり、田中達也のようにそこに飛び出していくのも中村憲の役割になってくる。
苦労に耐えた男に寄せられる指揮官の期待とは?
指揮官はこれまでサブで我慢を強いられてきた中村憲の姿を、ずっと見てきた。不平不満も漏らさず、チームを支えてきた1人であることを、百も承知している。チームが1つにならなければならない大事な一戦で彼を起用することに、指揮官は意義を感じているはずだ。
試合後、中村憲剛はこう語った。
「この代表はもっと伸びていくし、逆に伸ばしていかないと(世界に)通用しない。足を止めずに(ボールを)受けたら出す、出したら走る。それで穴が開く。それを信じてやっていきたい」
中村憲剛がウズベキスタン戦の命運を握る、キーパーソンとなる。