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セリエAの名門ローマの危機。
~買収騒動とサポーターの愛~ 

text by

弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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photograph byUniphoto Press

posted2009/08/22 08:00

セリエAの名門ローマの危機。~買収騒動とサポーターの愛~<Number Web> photograph by Uniphoto Press

王子トッティはローマで選手生活を終えるつもりだろうか

“辺境”と馬鹿にしていた他国リーグに抜かれる屈辱。

 今、最もドラスティックな変化を求めているのはクラブでも選手でもなく、サポーターだ。彼らはCLでの近隣諸国観戦を通じて、かつて“辺境”と馬鹿にしてきた他国リーグの躍進ぶりを目の当たりにしてきた。スタジアムなどの環境整備も含め、マンチェスター・Uやチェルシーがいかに投資し、それを結果に結び付けてきたか如実に知り、直接対決の結果によって打ちのめされた。徹底的な実務主義者であるローマ人ならば、結果を出せない現経営陣を見限るのにもためらいがない。「ロセッラ、貴様は出ていけ」との横断幕は今やオリンピコの日常風景だ。そもそも彼らは、ロセッラ女史が会見で放ったクラブへの「愛」という言葉を額面どおりには信じない。愛だけでサッカーは勝てない。愛を維持するにも金がかかる。現実を直視しているのは、一般庶民であるサポーターの方なのだ。

ローマのサポーターは「愛」よりも「勝利」をとる!?

 熱狂的な応援の裏には、ローマの威光を天下に示すためならば外国資本下になることぐらい大した問題ではない、とする冷酷な一面がある。それもまた実益的なローマ人が考える愛の形なのだ。

 今季もサポーターからのプレッシャーと外圧による買収話が止むことはないだろう。愛と金のすれ違いが永遠の都を悩ませる。ローマの迷走は続く。

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