オリンピックへの道BACK NUMBER
目指すは金メダルただひとつ!
ハーフパイプ・青野令の野望。
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byKYODO
posted2009/11/23 08:00
今年の2月にバンクーバー五輪と同会場で開催されたW杯では、1位ショーン・ホワイト(右)、2位青野令という結果だったのだが……
プロとの差を埋めるべくW杯を欠場し、練習に専念。
だが、トリノと今回でひとつ、条件の違うところがある。トリノ五輪では、プロ選手たちの実力を、大会当日にまざまざと見せ付けられたが、今回は事前に把握できているということだ。
今年8月26日、ニュージーランドで行なわれたワールドカップ開幕戦のことだ。この大会には、トリノ五輪金メダルのショーン・ホワイトも参加してきた。結果は、ホワイトが優勝し、青野は7位だった。
帰国後、青野は大会を振り返り、こう語った。
「課題がみつかりました。(ホワイトは)すごかったです。自分たちは遅れているので、その差を埋めていかなければ」
危機感は強かった。その後はワールドカップを欠場し、技を磨くため、練習に専念してきた。
「バンクーバーでの目標は、金メダルです」
11月4日には、久しぶりの記者会見に臨んだ。
「オリンピックを目指して、スノーボードをやってきました。バンクーバーでの目標は、金メダルです」
と、強く語った。大会を捨てて取り組んできた練習の成果に、手ごたえを感じているようだった。
11月23日に日本を出発、アメリカで約1カ月、トレーニングを行ない、オリンピックへと備える。
プロ・スノーボーダーたちの壁を破ることができるか。青野の挑戦は、日本のスノーボード・ハーフパイプにとっても、大きな意味を持つ。