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ベルルスコーニの“お気に入り”は
名門を救えるか。
~ミラン新監督レオナルドの挑戦~
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byUniphoto Press
posted2009/07/26 08:00
鹿島アントラーズでも華麗なプレーを見せたレオナルド。すっかり伊達男ぶりが板に付いたが、監督としてはどうか
“レオ”は口うるさいオーナーを黙らせられるか。
サポーターの中にはいまだカカ放出に対するクラブへの不満が根強く、5月に発覚したドバイ資本グループ「ADUG」によるミラン株式取得工作という火種も将来的にくすぶり続ける。選手層、監督、布陣、補強方針等あらゆる面でミランは昨季から大きく様変わりした。新指揮官には国内外のライバルたちの大型補強や周囲の雑音に惑わされることなく、地に足つけて戦っていく姿勢が求められる。レオナルドもこう語っている。
「僕がやりたいサッカーにはスピードとタフネスが不可欠で、それには全員の協力が重要。僕らにあるポテンシャルをすべて発揮できれば、素晴らしい結果を出せる」
ちなみにベルルスコーニは強硬な2トップ信奉者だが、パト、インザーギ、ロナウジーニョによるレオナルドの3トップ構想に対しては今のところ黙認している。オーナーが政争にかまけている間、静かに、したたかにレオナルド改革は進行中のようだ。