上村が金メダルを獲得するためにはノーミスが絶対条件。

　最大のライバルであるハイルのターンが従来型の横にずらすタイプであるだけに、美しいカービングターンを持つ上村にとって、この変更は少々不利に感じられる。

　コース自体も今回は比較的やさしい設定なので、ターン技術が上村ほど優れていない選手でも、そこそこに滑ることができるという。各選手ともミスが減る可能性が高いだけに、エアの着地などで1つでもミスを犯せば命取りになるだろう。金メダルを獲得するにはノーミスが絶対条件だ。

「愛子のカービングターンは超一流なので、攻めの滑りを見せれば超速い。これは即ち“うまい”ってことなので、ノーミスで滑れれば必ず評価されると思います。ID oneは愛子とヤンネを勝たせたいとの思いから始まったスキー。ヤンネはすでに金メダルを取ったので、今度は愛子の番なんです」

　ID oneを立ち上げてから今年でちょうど10シーズン目。上村愛子はバンクーバーの地に大輪の花を咲かすことができるだろうか。