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セ・リーグCS争いの混戦を招いた、
ヤクルト“勝利の方程式”の崩壊。 

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小関順二

小関順二Junji Koseki

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2009/10/08 11:30

セ・リーグCS争いの混戦を招いた、ヤクルト“勝利の方程式”の崩壊。<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

林の今季成績は5勝4敗26S自責点12(10月4日現在)。腰痛で戦線離脱した後、9月16日の横浜戦から復帰したが、9月21日の広島戦でもリリーフ失敗するなど調子はまだ上がってこない

アマチュアからリリーフ投手の逸材を発掘せよ。

 ことさらヤクルトのことをあげつらったが、多くの球団は継投に勝利の方程式を見出していない。巨人が山口鉄也、越智大祐、クルーン、中日が浅尾拓也、岩瀬仁紀、ソフトバンクが攝津正、馬原孝浩と、問題はありながら勝利の方程式を作り上げているのにくらべ、ヤクルトを含む他球団、主に下位球団はそれができていない。

 ここで視点を一挙にプロからアマチュアに移すと、祖父江大輔(愛知大4年)、大石達也(早大3年)、鹿沼圭佑(東洋大3年)、菅野智之(東海大2年)、内山拓哉(東洋大2年)、三嶋一輝(法大1年)、さらに社会人の大塚椋司(新日本石油)などリリーフに適性を見せる逸材が顔を揃えている。プロが欲する人材をアマが供給するという態勢ができているのだから、それをいかに偏らずに分配していくか、スカウトの眼力が試されるところである。

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