野次馬ライトスタンドBACK NUMBER
振り返ればハムがいる?
他球団で活躍する元・日ハム選手達。
text by
村瀬秀信Hidenobu Murase
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2011/05/23 12:25
5月22日、横浜スタジアムでの日本ハム戦。激しい雨で4回中断のノーゲームとなった試合だが、横浜ベンチ内では元・日ハム選手のひちょりがパフォーマンスを繰り広げて観客を大いに沸かせた
やっぱり交流戦は面白い。
改めてそんなことを思わされた5月22日の横浜vs.日本ハム戦。
試合開始当初から降り続いた雨は、4回表日本ハムの攻撃中に勢いを増し、約30分間の中断となった。
その間にオーロラビジョンには森本稀哲の野球選手モノマネが映し出された。
稲葉らしき模写? スレッジらしき模写?
正解はよくわからなかったが、ひちょりのベンチでのパフォーマンスには、古巣の日本ハムベンチも大笑い。さらにベンチ前まで出て来たひちょりが「なに笑ってんだコラ」(推測)と、ハムのベンチを挑発すると、「やってやんよ」とばかりに小谷野がそれに応戦。横浜ベンチに歩み寄ったが、ひちょりはベンチ裏へ退散し、小谷野が引いたのを見るや、今度はよりにもよって梨田監督を挑発……。
それまでの試合内容がどうだったかもすっかり忘れてしまうほど、大笑いした30分だった。
交流戦の横浜vs.日本ハム戦で、レフトスタンドからひちょりコールが!!
去年までは雨で中断中の日本ハムベンチで見られた光景も、ムードメーカーのひちょり、稲田らが移籍したことで、もう見られないのではと淋しく思っていたのだが、まさか交流戦という場で敵味方のベンチに分かれての寸劇になるとは。
雨中のレフトスタンドからひちょりコールが起こったように、この寸劇を懐かしみ、慈しむように眺めていた日本ハムファンも多かった事だろう。30年以上の日本ハムファンである、野球DJのファンタスティック・ピッチング・マシーン中嶋氏もまた、この光景に魅了された1人だった。
「懐かしい光景というか、非常に心温まる時間でした。ひちょりも出場機会を求めてFAで行ってしまった時はショックでしたが、ああいう風に元気な姿を見せてくれると本当に嬉しいですね。ひちょりだけじゃなく、鎌ヶ谷の若手の頃から明日のファイターズの星になる選手と期待して見ていた、元ハムの選手が頑張っている姿は、複雑な心境ですけどやっぱり嬉しいですから……」
今は敵方の選手なれど、かつてはその選手に夢や希望を託したこともある。
別れ際がキレイでなければ、ブーイングのひとつでもして忘れることもできるだろうが、チーム事情で移籍せざるを得なかった、思い入れのある選手との対戦には、なんともいえないおセンチな心境になってしまう。それはどこの球団ファンも共通のことだろう。
特にトレードは他リーグに放出されることが多いからか、これまでは古巣と対戦できないまま現役を終えていた選手も多かった。交流戦ができて以降は、このような再会を果たす場面がだいぶ増えたように思う。