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日本人所属クラブがブンデスで躍進。
ドルトムントの成長はまだまだ続く?
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byItaru Chiba
posted2011/05/24 10:30
ドルトムントは2試合を残して9シーズンぶり7度目のリーグ優勝を決めた
今季のブンデスリーガは、熱狂のシーズンだった。ドイツサッカーの中心であるルール地方が燃えていたからだ。
多くの日本人選手をドイツに連れてきた仕掛け人トーマス・クロート代理人は、以前、こんなことを話していた。
「私がドルトムントに住んでいるのは、近郊に多くのクラブがあるからなんだ」
西ドイツにあり、500万人が住むルール地方は、サッカークラブがひしめいている。そのクラブが今季は、ことごとく印象に残る戦いを見せたのだ。
9年ぶりにマイスターシャーレを取り戻したドルトムント。
ドルトムントは前半戦から快進撃を続け、9年ぶりにマイスターシャーレを取り戻した。シャルケはリーグ戦では14位と散々な結果に終わったが、チャンピオンズリーグの舞台で躍進。グループリーグを首位で通過すると、下馬評を覆してクラブ史上初のベスト4入りを果たした。
また、5月21日に行なわれたドイツカップ決勝は、シャルケ対デュイスブルクと、ルール地方に拠点を置くクラブ同士の対戦となった。
さらに、ドルトムントとシャルケに挟まれた小さな街にあるボーフムは、2部で3位となり、入れ替え戦に出場。アウェイで行なわれた初戦は0-1で落としているが、1部昇格の可能性も十分にある。
躍進した3クラブにJリーグ出身の選手がいるという巡りあわせ。
日本人にとって馴染みが深いのは、ルール地方の3クラブに、今季からJリーグ出身の選手が加わったということだ。
22歳の香川真司がドルトムント、23歳の内田篤人がシャルケ、そして27歳のチョン・テセがボーフムでプレーすることになった。
ちなみに、この3人は同期生。いずれも2006年にJリーグでプロとしてのキャリアをスタートしている。