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日本人所属クラブがブンデスで躍進。
ドルトムントの成長はまだまだ続く?
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byItaru Chiba
posted2011/05/24 10:30
ドルトムントは2試合を残して9シーズンぶり7度目のリーグ優勝を決めた
今季1試合あたりの平均勝ち点はバルサに次ぐ欧州2位。
その意味で、今シーズンは的確な補強をしたと言ってよい。
新加入のMF香川とトップ下の位置で起用されることも多かったFWレバンドフスキがともに8ゴール。さらに、リーグ2位の11アシストをマークするゲッツェが台頭したこともあり、総得点もリーグ2位の67点という成績を残している。
一方、経験がものを言う守備では2人のCBが強さと安定感を磨き、圧倒的な運動量で前線からのプレスも激しさを増した。その結果、ブンデスリーガ歴代2位となる22失点でシーズンを切り抜けたのだ。
また、今シーズンの1試合あたりの平均勝ち点は2.21で、欧州主要リーグ優勝チームの中ではバルセロナの2.53点に次ぐ2位の成績となった。
来季に向け、ドルトムントはすでにドイツU-21代表のギュンドアン(20歳)、ゲッツェ(18歳)に次ぐ才能を持つと言われるドイツU-19代表のライトナー(18歳)を獲得。相変わらず、若くて才能のある選手を狙う補強策を続けている。
課題を挙げるとすれば、リーグ2位、チームでは最多のボールタッチを誇ったサヒンのレアル・マドリー移籍が決まっており、その穴を誰が埋めるのかが決まっていないこと。
先に挙げた2人の新加入選手を起用するのか、あるいはゲッツェをボランチに置くのか。そして、それが機能するのか。来季も強さを見せ続けられるかどうかは、その点にかかっていると言ってもいい。
ルール地方のサッカーが盛り上がるのは、今シーズンに限った現象となるのか、それとも続くのか。来シーズンの見所のひとつとなりそうだ。