スペインサッカー、美学と不条理BACK NUMBER
家長所属のマジョルカが降格危機。
最終節に待つのは天国か地獄か?
text by
工藤拓Taku Kudo
photograph byAFLO
posted2011/05/18 10:30
崖っぷちのチームを1年間率いてきたラウドルップ監督(右)とフェレール副会長。1997-1998シーズン以来13年間守り続けてきた1部リーグ所属は、どうなる?
アトレティコとの最終戦。負けなければ残留確定だが……。
だが、残留争いに片足を突っ込んでからのここ数試合は、家長自身もチームと同様に調子を落とし、当初見られた思い切りの良いプレーは影を潜めるようになっている。
冒頭のビジャレアル戦の前日、マジョルカ空港の到着ゲートを出ると多数のマジョルカファンに出くわした。彼らは「ELの仇」に罵声を浴びせようとビジャレアル一行の到着を待ち構えていたのだ。それを見て、2000人以上が町へ繰り出しUEFAのEL出場権剥奪に対する抗議デモを行っていた昨夏の様子を思い出した。
チームとファンが一丸となり、激動の1年を乗り越えてきたマジョルカ。
最後に彼らを待っているのは、天国か、地獄か。
ホームにアトレティコを迎える最終節は、勝つか引き分ければ無条件で残留が決まるが、負ければ他試合の結果待ちとなる。
全ては家長とチームが挑む最後の90分間に託された。